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京都の和束茶は他のお茶と何が違う?味や特徴を紹介

宇治茶に狭山茶、静岡茶など、日本茶の銘柄はさまざまです。
その中でも“和束茶”をご存知でしょうか。
「いつもとは違うお茶を楽しみたい」
「お茶が好きな人へのプレゼントにおすすめのお茶を知りたい」
「京都のお茶ってどんな銘柄があるの?」

今回は、和束茶についてご紹介します。
意外と知られていない歴史から、味や産地の特徴までを説明しますので、おいしいお茶をお探しの方はぜひチェックしてみてくださいね。

和束茶とはどんなお茶?読み方や産地は?

和束茶は一見すると、読み方に迷ってしまいがちです。
正しい読み方は「和束茶(わづかちゃ)」で、名称通り「京都府相楽郡和束町」が産地のブランド茶です。
あの宇治茶も実は約半数が和束町で作られているというほど、和束茶は名高い銘茶です。

お茶の種類は煎茶だけじゃない!宇治茶との違いは?

和束茶は、大別すると宇治茶ですが、違いは茶葉の純度にもあります。
他県産の茶葉が混じっている他ブランドのお茶に比べ、和束茶は純度100%の京都和束産の茶葉を使用しています。

元々は、和束町の茶農家しか飲むことができなかったともいわれている和束茶は、比較的高価です。
それは純度が高く、各農家独自のポリシーや、畑の立地によってつくられたこだわりのお茶だからといえるでしょう。

また、和束茶とよばれるのは煎茶だけでなく、ほうじ茶に番茶、玄米茶など種類も豊富です。
さらに、お茶とハーブを掛け合わせたハーブティーは、忙しく体のリズムが不安定な現代人のためにつくられた、ほっとするようなクセのない優しい味です。
このように、和束茶には多くの種類があり、かつ高品質で味にも間違いのないものばかりが揃っています。

美味しい理由は?和束茶の特徴

和束茶ならではの美味しさの理由を、特徴とともに解説します。

「茶源郷」で知られる和束町ならではのお茶

和束茶を生産する、和束町の別名として呼ばれているのが「茶源郷」。
円形茶園で有名な“原山”や、山なりの茶園が“お茶の京都”のPRとしても使われる“石寺”と、その他数か所の茶畑が存在しています。

森林に囲まれた盆地に位置していることもあり、昼夜の寒暖差が比較的大きいことから霧も発生しやすく、生産者にとってもこの環境下で作業をすることは容易ではありません。
しかし、その霧が茶葉を包み込むことで、独特の旨味を生み出しているといわれています。

全国茶品評会の受賞歴あり

年に一度、全国のお茶にまつわる関係者が一同に集い、試飲会や商品の販売・展示を行う「全国お茶まつり」。
そのイベントの目玉である“全国茶品評会”は、全国一のお茶を決める、いわばお茶の全国大会のようなものです。

そこで和束茶は、第43回と第52回の二度にわたり、農林水産大臣賞を受賞しています。
全国茶品評会で名誉ある賞に輝く和束茶の味が、確かなものであることを証明しています。

食材としても注目される栄養価の高さ

和束のお茶には、カテキンのほかビタミンCやカロチン、各種アミノ酸・鉄・カルシウムやリンなど、身体に嬉しい成分が入っています。
美容と健康に良い健康飲料として、人々の体調を整えてくれるという特徴も持っているのです。
また、和束茶は食材としても注目されており、中でも珍しい“茶葉の佃煮”は、ご飯のお供としても最適です。

和束茶の歴史

鎌倉時代以降に、僧侶によって伝えられたのではないかといわれている和束茶。
歴史は長いものの、飛びぬけるほどの品質評価は得られず“山間地方の茶畑の一部にしかすぎなかった”と、明治時代になってもその評判はまだまだでした。

しかし、明治20年以降になると、魅力ある輸出品目育成を目的とした産業の博覧会である“内国勧業博覧会”で、和束町の生産者が入賞する農家が現われだしたのです。
そこから昭和にかけて、和束茶の品質改善が図られます。

施肥の改善、製品や畑の品評会の開催・機械製茶の導入といったことを繰り返すことで、和束茶は京都府内の生産量として最も多く、高品質であるお茶へと成長していったのです。

和束町は茶畑やカフェなど観光地も有名

2000年代の後半から、和束町では第六次産業にも力を入れています。
町中のお茶の研究施設や、複合施設内に和束茶のカフェを設置したり、茶畑の散策・お茶の淹れ方をレクチャーする体験ツアーに農泊と、お茶を通したさまざまな観光や見どころが満載。
お茶の文化の普及や茶生産地の活性化を目的とし、町全体を上げてお茶の魅力を伝え続けているのです。

京都の伝統ある和束茶でもっとお茶を楽しもう

食後の一服や来客時のおもてなしなど、私たちの暮らしにとって身近な存在であったお茶。
しかし現代では、急須に茶葉を入れていただくという日本人ならではの飲み方は、あまり見なくなりました。
しかし、香りの高さや深みのある味は、和束茶にしか出せない特別なものなのです。

和束茶の魅力を知ることで、お気に入りの茶器でお茶をたしなむことや、大切な人にプレゼントすることもさらに楽しくなりそうです。
口にふくんだ瞬間に、茶畑の情景が見えてくるような幸福の味を、ぜひ体感してみてくださいね。

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